空飛ぶドローンが、かなり本格化してきている。
「CP+」というイベントをご存知でしょうか? 「シーピープラス」と読みます。カメラと写真技術の最前線が紹介される展示会です。
日本メーカーのデジタルカメラの世界シェアは75%以上、一眼レフカメラでは99%です。スマホによる侵食が懸念されていますが、圧倒的な市場占有率です。国内で体験できる楽しい機会です。
2015年の展示の大半は従来の写真関連でしたが、目新しさを感じたのは、「ドローン」でした。ドローンは、昨年の後半ぐらいから急激に注目を集めているラジコンヘリです。
Amazonが2015年にはドローンを使った、注文してから30分以内に商品を届ける「Prime Air」を開始するということで話題になりました。国内では、セコムが自律型飛行監視ロボットとして活用することがニュースになっていますね。
家電量販店には、趣味の撮影用の小型ドローン売り場があります。すでに1万円以下で購入できるものも出回っています。以前にiPadをコントローラーとして使って操作と撮影ができるドローンを体験したことがありますが、小ぶりな機体が10メートル以上浮かび上がるのはとても楽しかったです。
今回のCP+では「dji」というアメリカのドローン会社の日本法人が大々的な展示をしていました。コンパクトカメラに対して本格的な一眼レフカメラがあるように、ドローンにもリーズナブルなものに対して、高級で本格的なものもあります。価格は20~60万円程度なので、趣味が高じたハイアマチュアにも手が届きます。
パワーは大丈夫なの?という疑問がありますが、なんと!重さ10キロぐらいを持ち上げて飛行できるそうです。中型のデジタル一眼レフカメラ(本体+レンズ)が装着できます。
テレビの登山や旅行番組でも、すでにドローンは活用され、これまで見たことのない光景を楽しませてくれています。視聴者はドローンの存在に気づかないでしょうが、空を飛ぶ鳥から眺めるような素晴らしい体験です。
商品の配達、緊急時の物資移送に本格的に使える、そんな日は数年以内に当たり前になります。昔、小学校の卒業アルバムでは、ヘリコプターや小型飛行機での校舎や集合写真の空撮が流行っていましたが、これからはドローンに代わっていくんでしょうね。
アメリカ連邦航空局(FAA)では、夜間や空港エリアでの飛行禁止など、ドローンの飛行ルールの策定を進めています。
米調査会社ティール・グループは、2014年に年間64億ドル(約7600億円)規模のドローンの世界市場は、向こう10年間で2倍近い115億ドル(約1.4兆円)まで拡大し、その次の10年間で約910億ドル(約11兆円)に成長する見込みだと試算している。