AWSは世界を変えるのか?
IT業界以外の人にはまだ馴染みのない言葉「AWS」 業界内では、日本に留まらず、世界的にとても注目されています。インターネットの登場⇒モバイル・スマホの普及⇒その次 ぐらいのインパクトだとも言われています。「AWS」は知らなくとも「クラウド」というと何となく聞いたことがある人も多いはず。ただ、クラウドはあくまでも概念のことなので捉えどころがないというのも事実です。クラウドとは何か?はここあたりをご覧いただければ感じるように極めてぼんやりとしたもです。
ここのところ「○○クラウド」や雲のロゴをつけたサービスがやたらと増えています。有名なところではappleのiCloudです。音楽や写真がiPhoneやiPadなど自分の持っているデバイスからならどこからでもアクセスできるという便利なものです。富士通やNECなど日本の大手IT企業もこの流れに乗り遅れまいと様々な取り組みをしています。しかし、現状ではデーターストレージの延長程度のサービス内容です。
そこで、脅威?!となっているのがネット通販のアマゾンが提供しているクラウドサービスがAmazon Web Services、つまり「AWS」です。AWSは当面のクラウド業界の覇権を握っていきます。「提供側がユーザーに対してオープンな姿勢があること」「クラウドの真の活用ができるエンジニアがAmazonやgoogleのカルチャーに慣れた若い世代であること」、そして「Amazonの活動がとんでもなく早く、値下げが進んでいること」が理由です。
技術的にも今まで物理的に準備をしていたサーバー構成が、画面上から瞬時に設定ができます。また、急なアクセス集中に耐えられる仕組みもあります。パソコンとクレジットカードがあれば誰でもどこからでも最強のサーバーシステムを自在に組み上げることができるのです。「ワンクリックで本がすぐに手元に届く」、15年前に味わったあのAmazonの感動を思い出してください。それがシステム業界にいま起きているのです。
これから5年、10年、AWSのパワーを最大活用した個別のサービスが次々に生まれて、僕らの生活を便利に楽しくしてくれるでしょう。いまは、その基盤がすくすくと育ってきている段階なのです。
先日、AWSのイベント「AWS Summit Tokyo 2014」に出掛けてきました。東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪が会場でした。周辺は他のビジネスショーよりもラフなスタイルな人々で溢れていました。こんな様子からもAWSに取り組んでいるのは新興のIT企業が中心なのでしょう。
大手企業でもシステム部門の担当者が多いイメージで、経営企画やマーケティングの担当のような雰囲気の人はあまり見かけず、ましてや年輩の経営者は全くいませんでした。今後、AWSやクラウドが経営戦略の根幹になっていくのは間違いのないことで、こんな様子は少し不安を感じるものでした。