ゼロからの展示会出展〜対話型イベントへの挑戦
JOINではこれまでもたくさんのBtoB顧客の展示会出展をサポートしてきました。
今回開催されたCEATEC 2018へのお客様の出展では、施工から取り組ませていただきました。しかも、什器や床材の素材選びから手掛けました。好きな言葉で「神は細部に宿る」とは言いますが、ゼロから取り組むのはさすがに大変な作業でした。
展示会には専門の施工業者があって、それはさらに細分化しています。
・展示ブースの設計をする会社
・デザイン案を策定する会社
・壁パネルの立ち上げをする会社
・壁パネルに出力したデザイン画を貼る会社
・電気工事をする会社
・照明を設置する会社
それぞれその道のプロなのでとても仕事が早いです。海外グローバルブランドの場合は、インハウスで展示会施工チームを擁する企業もあります。10名ほどのメンバーが、専用のトラックやコンテナを保有しています。なので、世界中どこに行っても同一のクオリティの高い展示が実現できます。
分業化が進んでいる反面、企業側のマイナスは「それなりにカッコいい画一的な展示になってしまう」ことです。本来であれば、企業のマーケティング担当やそれを支援するコンサルティング会社が事業戦略に基づいて、来場者である見込顧客とのコンタクトポイントとそこでの体験をデザインする必要があります。企画から施工、接客、開催後のアプローチまで一気通貫して携われば良いのですが、
今回、目指したのは、「製品説明」ではなく「対話」です。どこの企業も展示会には力が入っていますので、自社の製品やサービスを売り込みたいのに必死です。名刺の獲得数やその後の訪問営業に繋がるか、そして売り上げに貢献できるかが点数化されてKPI目標になっているところがほとんどです。しかし、その目標に縛られすぎている企業がほとんどです。大切なことを忘れています。それは相手の気持ちに寄り添うことです。考えてみてください。自分が逆の立場でお客様として展示会に来た時に一方的な売り込みを受けたいでしょうか? 技術の詳細や業界の動向について知りたいはずです。そしてその製品やソリューションが自分の仕事や研究に役立つか、どのように応用できるかを知りたいのです。その上で、納得して購入導入の検討に移れるわけです。そして、プラスアルファとして、今だけ、あなただけの特別感を共有できることが大切なのです。
そのためには、正面に向かい合うレイアウトではなくて、一緒に横に並ぶことで対話はしやすくなります。やはり人は正面に立たれると圧迫感を感じます。そのための什器(テーブル)の最適な幅や高さは計算されたものでなければなりません。
また、トークの内容も台本にまとめられるようなものではありません。かといって、専門的すぎる内容を接客スタッフ全員が理解している必要もありません。時間帯ごとにチームを作り、その中に経験豊かなリーダーとサポートのスタッフを混ぜて構成すれば、専門的な内容を質問された場合でもエスカレーションすることができます。専門的な知識よりも大切なこと。それは、傾聴することです。相手の話をまず聴くことです。会話の空白が生まれても構いません。じっくりと聴くことです。それが対話のスタートです。