あのソニーが不動産事業に進出!?
そうこれは事実なのです。「ソニー不動産」が2014年8月1日に開業しました。あのSONYが不動産?! ちょっと違和感もありますが、すでに、ソニー銀行もありますし、ソニー損保、ソニー生命は会社も個人でも契約者です。ソニーの金融事業は、技術やモノづくり力ではなく、財務基盤やブランドにあります。はっきりいって旧来の事業とは人も中身も違うのです。
そう思って、ソニー不動産の会社概要を見てみると、てっきり業績の堅調なソニー生命かと思いきや、ソニー本体が主要株主のようです。社長もソニー出身の39歳。「ソニー不動産は、新規事業の第1弾の位置づけで、本社の経営企画担当部署にいた西山和良氏(39)のアイデアを具体化した。」とのことです。
では、そのサービス内容は・・・
不動産業界では、土地や建物の売買を仲介した場合、双方から3~5%ほどの手数料を受け取るのがふつうだ。だが新会社は、「コストに関係なく価格が決まるのはおかしい」と考え、サービス提供にかかった費用を計算して手数料を決める。例えば、不動産を買う客が紹介してもらう物件の数を絞れば安くなる。また、対応する営業員の経験に応じても価格が変わる。問い合わせも電話ではなくインターネットを選ぶと、手数料が安くなる。
今では当たり前になった、自動車保険(ソニー損保)などの徹底した合理化と、その合理性に共感できる顧客との関係によるビジネスのようです。
経験した人にはわかると思いますが、不動産の売却は一般の人にとってかなりのブラックボックスです。ほとんど意味不明に提示されたコストを負担しなければいけません。担当に質問しても「そういうものなのです。取り決めです」の一辺倒、さらに詰め寄ると「では、上司に掛け合ってきます」が規定演技です。
リクルート社あたりが切り込むと思いきや、既存の不動産業界との関係が重かったのか、ソニーという意外な巨人チャレンジャーの参入で業界も変化していくことでしょう。不動産の個人市場から法人市場に、どう攻めていくかも注目です。