缶詰会社の新たな挑戦〜自社ブランド世界観を拡張
ウィスキーが大好きです。大ぶりなワイングラスにストレートで、ソーダをチェイサーにして、シガーと合わせることは至極の喜びです。つまみは、チーズやエリンギのスモーク、ナッツも香りづけのひと手間を加えるととても美味しくなります。オイルサーディンや生コンビーフなども最高です。
とはいえ、それらの魅力的なおつまみはなかなか手に入りません。スーパーやコンビニのお総菜は美味しいものもあるのですが、あのパッケージが生活感がありすぎて残念なんです・・・。自宅やキャンプで魅力的なおつまみが気軽に楽しめたら良いのに。そんなウィスキー愛好家の心をくすぐる商品が缶詰の大手マルハニチロから販売されています。
「TINNED」シリーズは、ウィスキーをゆったり楽しんでいただくための「缶になった」大人のおつまみシリーズです。ウィスキーが持つスモーキー・スパイシー・フルーティー・熟成香・甘味・ナッツ香・モルト香に注目し、ウィスキーのおいしさを引き出し、「かっこよさ」にこだわった商品です。
http://www.maruha-nichiro.co.jp/tinned/
この記事を書いているのは午前中なのですが、仕事を放棄してウィスキーを飲みたくなる、凶暴なほどに魅力的なラインナップです。
さば燻製油漬
さばフィレをじっくり強めに燻し、さらっとしたひまわり油に漬け込んだ英国風のさば燻製油漬です。スコッチウィスキーの持つビート香や、バーボンの焼樽の香ばしさとの相性抜群です。
国産ほたて燻製油漬
じっくり強めに燻した国産ほたてを、一粒ずつ丁寧に手詰めしひまわり油に漬け込んだ、旨味の深いほたての燻製。癖のないほたての旨味と程よいスモーク香が、幅広いウィスキーとマッチします。
チリコンカン
牛と豚の挽肉の旨味に、赤いんげん豆、ひよこ豆、青えんどう豆の食感とモルト香が加わった一品。スパイシーなチリパウダーでまとめました。ウィスキーはもちろん、エール系ビールにもよく合います。
牛肉のシェリー酒煮込
ウィスキーの独特の風味は熟成に使われるシェリー酒の古樽に大きな影響を受けています。一口大の牛肉を、シェリー酒で柔らかくなるまで煮込むことで、ウィスキーと相性抜群の大人のおつまみに。
スイートチーズクリーム
マロンとアーモンドを甘酸っぱいチーズクリームで和えた、食感も楽しい甘いおつまみ。刺激的なアルコールの口当たりを適度に和らげながら、ウィスキーが本来持つフルーティーな味わいを引き出します。
国産いわし燻製油漬
国産真いわしの頭と内臓を丁寧に取り除きじっくりと燻製した上で、一尾づつ手詰し、ひまわり油に漬け込みました。上品な燻香がウィスキーの風味を引き立てます。
国産たこ燻製油漬
一口大にカットした国産たこを丁寧に燻製し、ひまわり油に漬け込みました。噛むほどにたこの旨みと燻製の香りが口の中に広がり、ウィスキーがすすむ一品です。
マルハニチロのTINNEDの面白いところは、魅力的な商品を提供することに留まらず、その商品を楽しむ時間を提供しようとしていることです。なんと、音楽レーベルを立ち上げたそうです。
缶詰ブランド「TINNED」によって、2016年、設立された東京発のインディーズレーベルです。ウィスキーを「TINNED」と一緒に嗜む・・・そんな時間を演出する、バックグラウンドミュージックを提供します。ウィスキーにまつわるタイトルを冠し、それらのイメージや土地、歴史に基づいてつくられた全く新しい音楽が、新しい体験を生み出します。ウィスキー、そしてTINNEDとのマッチングをゆっくりとお楽しみください。
海外ではメルセデスベンツがドライブに最適な音楽を揃えたオリジナル音楽レーベルを展開している事例もあります。このように自社ブランドの世界観を拡張していく取り組みは、BtoBでも増えていくでしょう。例えば、事務機メーカーであれば顧客のワーク効率を上げる支援や、人材会社であれば働きやすい環境を作る支援など、考えれば将来の新規事業につなげられそうなアイデアが溢れてきそうですね。