「想い」が「思い込み」に終わらない新規事業
PRやマーケティング、事業戦略の仕事をしているとたくさんの新規事業に出会います。かっちりと計画化されたり、走り出しているものから、アイデアの卵、さらには、飲み会での与太話まで。レベルは様々です。
企業規模の大小に関わらず、世の中には本当にたくさんの新規事業に溢れています。という、JOINでも日々考えては、計画にして取り組んだものの立ち消えてしまうものもあれば、辛抱強く続けて意外な成果につながるものもあります。
ゼロから生み出すのはとてもパワーが必要なことなので、そこには経営者や発案者の強い「想い」が存在します。猪突猛進な「想い」が先行して、単に「思い込み」だけで進んでいるものも多いです。
そんな時は「新規事業が生み出す10年後の未来はわかったから、1年後はどうなってるの?」と質問をするようにしています。1年後>6ヵ月後>3ヵ月後>さらに1ヵ月後はどのように事業を成長させて、そのために必要なことは何なの?という問いに明確な回答が帰って来ることは稀です。「とりあえず、小さく始めて様子をみます」に終着します。
JOINで自分たちが計画しているものに対しても同様の投げかけをします。ただ、そこでも「想い」が強すぎてしまうことがあります。そこで、指標を明確にした軸を作ってみました。9つの軸に沿って新規事業の現在の優位点と数ヶ月数年後のあるべき姿をレーダーチャートで表現するものです。「新規事業エニアグラム」と名づけました。投資家が起業家に対して行うような採点ではなく、次のステップに必要なことを見極めて実行していくためのカルテです。どこが足りないかを論い指摘するものではありません。
軸はテクノロジー・資金・チーム・市場などなど9つあります。まず、現時点での優位点と弱点を明確にしていきます。どんなタイプの新規事業なのかが客観視できるようになります。次に、数ヵ月後のあるべき姿を数値としてプロットします。すると9角形のレーダーチャートにギャップが生まれます。このギャップが大きいところが次に実行すべきステップです。成長の段階において定期的に見直すことが有用です。
ご興味あればお話させていただきます。お問合せください。
「私は、人間にとっての本当の幸せは、光の下にいることではないと思う。その光を遠く見据えて、それに向かって懸命に走っている、無我夢中の暗闇の中にこそ、人生の充実があると思う。」 — 安藤忠雄